第933回「産経論説委員長の弁?」

 深谷隆司の言いたい放題第933回

 「産経論説委員長の弁?」

 6月21日の「風を読む」産経新聞論説委員長乾正人氏の文章がいかにも上から目線で、産経びいきの私を不快にさせた。

 参議院選挙を前に語った6党首の発言に対しての感想はともかくとして随所に不遜とも思える箇所が多いのである。

 「日曜の午後は、競馬の重賞レースがあるため、なるべく仕事をしないのだが、19日は参議院選を前に主要6党首が集まると言うので、のこのこ芝公園にあるホテルまで出かけた。」

 論説委員長ともなれば真面目に党首の声を聴こうとすると思っていたが、冒頭のこの文章から感じられるのは不承不承で行く姿で、競馬の方がいかにも大事のようで驚かされる。

 「岸田文雄首相ら各代表の発言は、真摯でそれなりにまとまってはいたが、馬券を買うのを我慢するほどでもなかった。」

 党首発言の中味についての批判があってもやむをえまいが、馬券を買うのを我慢するほどではなかったは、真剣に語る党首たちに対して無礼千万ではないか。

 「3年前の選挙は、投票率が50%を割り、投票に出かけた20歳代の若者は、3人に1人もいなかった。政治に関心があるが、投票したい政党はない、という人々に突き刺さる政策をどうして既成政党は打ち出せないのか」と嘆いて見せるが、年中政治批判ばかりを無責任に流して政治を遠ざけてきたマスコミの報道にも問題がある。こうしたことの自覚がないのが不思議である。

 最後が「空調の利いたホテルの片隅で、ついつい考え込んでしまった」と結んでいたが、わざわざ「空調の利いたホテルで」と書くあたり、「随分お偉いのですね」と皮肉の一つも言いたくなる。

 私は連日猛暑のなかで自民党候補の応援を続けている。昨日(26日)も雷門前と銀座4丁目で暑さに耐えて茂木幹事長らと真剣に訴えてきた。茂木幹事長は私が通産大臣時代の政務次官だが、自民党政権の政策について実に正確にわかりやすく説いていた。若い人も多く熱心に聞いていた。先の編集長ともなると高い立場だから?こういう現場に立ち寄ったことなどないであろう。

 私は9月で87歳になる。若い人に任せればいいのにとは思うのだが、歳をとるほどこの国の行方が心配で、乞われるままに必死に政治のありようを獅子吼しているのだ。

 何年か前、朝日新聞があまりに偏向し、しかも慰安婦問題など事実に反する報道が続き、私は「朝日新聞辞めました」と公に発表し大きな話題を集めた。爾来産経新聞を中心に読み、同じ路線の月刊「Hanada」に連載を書いてきた。

 何とも残念な「風を読む」であった。



第932回「参議院選挙で獅子吼」

 深谷隆司の言いたい放題第932回

 「参議院選挙で獅子吼」

 6月22日、参議院選挙が始まった。東京選挙区で自民党は朝日健太郎、生稲晃子の二人を擁立したが、私は都連最高顧問としてすでに事務所開きや決起大会などで応援を続けてきた。7月10日が投票日、それまで18日間、全国区の候補片山さつき等も含めて忙しい日々が続く。

 東京は6議席を34人で争うが、随分色々の人が出るものだ。正直こんな人がとあきれる顔もある。

 初日はまず10時、現職の朝日候補の為に渋谷区のラフォーレ原宿前に駆け付け第一声を上げた。

 朝日候補はビーチバレー選手としてオリンピックに参加し、東京五輪・パラリンピック大会に関わって成功に導いた功労者である。さすがにベテランらしく演説の論旨もしっかりしていて、スポーツを通じて教育に取り組むことや、安心安全が大前提と災害対策に力を入れること等を強調していた。

 11時には生稲候補の街頭演説で有楽町イトシア前に行った。おニャン子クラブや暴れん坊将軍など芸能界で活躍した人だが、それ以上に国の依頼で働き方改革対策の民間議員になって実績を積み、更に自分の乳がんの経験から講演活動を行い、がん対策の啓蒙活動を続けた人である。

 「自分の命を繋いでもらったことへの恩返しがしたい」と落ち着いた演説であった。

 私は何回もの大臣経験から「参議院は、衆議院と全く同じことをし、まるで衆議院のカーボンコピーになっている」と従来から批判的な思いを持っていた。各所でその気持ちを率直に訴えて来た。

 終戦後日本はGHQの間接統治の下、自主憲法さえ作れず、マッカーサーの出した英文の憲法まで押し付けられた。しかし、その状況の中で唯一抵抗して勝ち取ったのが「二院制」で「参議院」が生まれたのだ。参議院は6年の任期があって途中解散選挙はない。だから、じっくり腰を据えて衆議院の誤りをチェックし、日本の今と未来を真剣に考え実行する役割を与えられている。本来の「良識の府」に戻って欲しいと強く思っているのだ。

 日本はいま「国難」にある。ロシア、中国、北朝鮮の脅威は日ごとに膨らみ、明日はウクライナかと危機感を覚える。

 憲法改正、防衛力の強化は最大の課題で、参議院候補もこうした状況を真剣に国民に訴えなければならない。世論調査では物価高対策、景気や雇用、年金・医療・介護が上位を占めている。いずれも大事なテーマだが、その前に国家が存立することが大前提だ。どうやって日本国土と国民の命を守るのか、各政党、候補者たちの最大の論点であって欲しいと思っている。

 選挙になると私の血が騒ぐのか、思わず熱弁になる。多くの人から「若い、元気だ」と褒められその気になったが、実はこの日はワクチン接種もあって不調で、帰宅後はがっくりとなって家族に心配をかけた。

 9月で87歳、やっぱり自重しなければと初めて思った。


第931回「舌好調」

 深谷隆司の言いたい放題第931回

 「舌好調」

 温故知新塾に次いで、自民党政経塾もようやく直接対面で講義できるようになった。5月31日の開校式から始まって6月7日、14日と続いての授業だったが、定員100名のところ180名を超える塾生で盛況であった。

 思わず張り切って「人生をいかに生きるべきか」について熱弁をふるった。丁度石原慎太郎氏の「お別れ会」に出席したこともあって、裕次郎との出会いなども話した。

 柳生新陰流の家訓に「小才は縁に逢って縁に気づかず、中才は縁に逢って縁を活かさず、大才は袖すりあうも他生の縁とこれを活かす」とあるが、せっかくの出会いを大切にせよと説いている。

 22日から参院選挙も始まる。朝日健太郎といくいな晃子の2名を東京で立候補させるが、私は最高顧問として彼らの当選のため全力を挙げなければならない。全国比例の片山さつき等大勢の候補の応援もあるから大忙しだ。

 各事務所開きから始まって党本部講堂、都内のホテル、台東区、文京区、中央区の大会等、多い時は千人もの聴衆の前で熱弁を振っている。


 敗戦になってGHQが7年も日本を間接統治した。政府が出した憲法案も否定され、20人足らずの米軍将校が作ったのが今の憲法だ。憲法学も政治学も知らない連中が作った英文の憲法、基本の考えは日本弱体化だが、75年も経った今も平和憲法と後生大事にしている。日本を取り巻く国の危機が叫ばれているのに「平和ボケ」のままなのだ。

 ただその時、唯一頑張って「一院制」に反対し実現したのが参議院である。衆議院は任期4年だが解散がある、直前の国民の意思を活かすためでもある。参議院は6年と長く解散はない。衆議院をチェックし、日本の今と未来を十分に思考する「良識の府」が参議院なのだ。しかし、今や衆議院のカーボンコピーとなっていてその存在感が無い。私の大臣時代、予算委員会で同じ質問、同じ答弁を衆参両院でやらされたことを語って、参議院を本来の姿に戻せと訴えている。わが党は参議院にふさわしい候補を選んでいるのだから必ず勝たそうと獅子吼しているのだ。

 元気一杯の私が間もなく87歳だと言うと皆びっくりしていたが「選挙になると血が躍るのだ」と笑わせた。

 まさに舌好調、まだまだ「下町のケネディ」は健在、一層張り切って暮らしていこうと思っている。



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