第927回「隣国の暗さに危機感」

 深谷隆司の言いたい放題第927回

 「隣国の暗さに危機感」

 ロシアのウクライナ侵攻がもう3ヵ月近い。無辜の国民が大きな被害を受け連日その悲惨な状況が報道されている。 

 橋下元知事などはウクライナの降伏が犠牲者を少なくする等、もっともらしく言っていたがいい加減なものだ。

 そんな選択はあり得ない。現実に強制収容所がつくられ、捕まった反ロシアのウクライナ人は拷問を受け殺されたという報告が出ている。そうでないものはシベリアなどに送られ過酷な労働が待っている。

 降伏すればウクライナは属国扱いになって、主権国家の誇りは勿論、愛国者は一人残らず様々な虐待を受け続ける。

 独裁者プーチンの暗さ不気味さ、彼の感覚には一般的な倫理や法制度などはない。ロシア軍が突然北海道を侵略することもあり得るのだ。

 北朝鮮が12日に新型コロナウイルスの国内感染を認めた。しかも爆発的で、4月以降、発熱した患者は累計121万人、人口の5%に迫っている。それまで感染者ゼロと言ってきたのだから、この国は如何に嘘つきかわかる。おそらく感染力は強いが、致死率が低いオミクロンなら治療出来ると判断したのであろう。

 幹部らの無能無責任を金正恩党書記は激しく叱責したことを公にしたが、明らかな責任転嫁、国民思いの指導者像を演出しているのだ。マスクをした金正恩の顔の暗いこと・・・。

 しかも初感染を発表した日に弾道ミサイル3発を日本海に向けて発射させ、核実験を準備する動きも観測されている。

 ここも狂気の独裁者、何をするかわからない不気味さだ。

 韓国で5年ぶりに尹錫悦新大統領が誕生した。5年ぶりの保守政権で少し期待したが、就任演説に日韓関係や米韓関係の言及がなかった。

 核ミサイル開発を続ける北朝鮮、ロシアのウクライナ侵攻、中国が台湾への政治・軍事的な圧力を強めている中で、東アジアの平和と安定に向け、今こそ日米韓の連携が必要なのに一体何を考えているのか。

 しかも林芳正外相が韓国大統領就任式の訪韓中に、韓国が不正占拠する竹島南方の排他的経済水域(EEZ)内で韓国国営企業が無許可で海洋調査を実施した。日本の外務省は事業自体を公表しなかった。相変わらずのお粗末さにあきれる。

 保守系の李明博、朴槿恵両政権は発足当時未来志向の日韓関係をうたったが、支持率が低下したら不当な反日に舵を切った。悪化した日韓関係の原因はひとえに韓国側にある。

 日本は毅然たる態度で新大統領に接しなければならない。過度の期待を持ってはならないのだ。

 隣国の暗さに危機感を持ち、日本自らの責任において国家国民の平和と安全を守り抜く覚悟が、今問われている。



第926回「仁和寺一泊百万円の宿坊」

 深谷隆司の言いたい放題第926回

 「仁和寺一泊百万円の宿坊」

 連休明けの5月7日、夫婦で急に京都1泊の旅に出た。

 仁和寺で行われる和太鼓木村善幸氏のコンサートに孫の小田安希与が箏で特別出演することになったからだ。

 4年前、仁和寺が外国人富裕層を対象に一棟貸しの宿坊を一泊百万円でオープンさせ大きな話題になったが、主催者がなんとその宿坊に我々を招待してくれた。

 宿坊の名称は「松林庵」で、ゆかりのある人から譲られた歴史ある建物を改修したものだと聞いていた。だから豪華絢爛な建物を想像していたが、1階は寝室、洗面所、トイレなどが設けられ、2階は和を中心にした寛ぎの空間で、茶室の網代天井、床の間の無双窓等数寄屋風の風雅な佇まいになっていた。

 我々と小田一家、杉山氏の6人が宿泊したのだが、特別に派遣された女性が2日間つきっきりで世話をしてくれる。

 大林實温真言宗御室派宗務総長直々の案内で、五重塔を背景にした見事な庭園をめぐり、重要文化財の観音堂、国宝の金堂等を訪ね、非公開の伽藍を特別拝観させてくれた。 

 長時間の案内で、万歩計を見るとなんと一万歩を数える。家内は全行程を平気で歩いたが私は途中でダウン、間もなく87歳、すっかり高齢になったものだと自分自身あきれたものである。 

 午後4時、御室会館「梵」で早めの夕食、立派な精進料理だがお酒も出てうれしかった。

 7時から待望のコンサートで、ライトアップされた五重塔を眺めながら歩むと国宝金堂前が舞台になっている。

 150人余の観客を前にして、まず6人の僧侶の念仏に合わせて和太鼓が響く。孫の箏との共演は即興演奏で素晴らしく感動であった。部屋に帰って時間を惜しむように痛飲。

 翌朝5時に起きて6時からの金堂での勤行に参加、読経を聞きながら様々な感慨にふけった。終わると今度は外で若い僧侶たちが上げる「声明」、心身ともに「清福」であった。

 朝食は白書院から「宸殿」に進み、裏の食堂(じきどう)でいただいたが、京都で有名な「桜川」から板前が来て直接料理してくれた。

 森恭園財務部長が同席して話し相手になる。

 「修業を積んだら死を恐れなくなりますか」

 「一休さんは死にたくないと言いながら死にました」、愉快な会話で和んだ。

 仁和寺は仁和4(888)年宇多天皇が完成させ、爾来、天皇家の子弟や皇族が住職を務め、門跡寺院の筆頭として高い格式を誇ってきた。王朝文化を継承し皇室ゆかりの国宝も多く、1994年には世界遺産に登録されている。

 夕方5時から翌朝9時までは門が閉ざされるから仁和寺はほぼ貸し切り状態となる。

 「松林庵」は宿泊者のいわばベースキャンプで、全山あげての「おもてなし」を受ける。百万円は宿泊料金ではなく、世界遺産・仁和寺を貸し切り舞台にした壮大な文化体験に対する対価であることが分かった。

 コロナで外国人観光客が来なくなり、今は日本人客大歓迎だ。京都の寺社は近年観光客が減って財政難に陥っていると聞く。仁和寺のように高級宿坊を核として寺社観光に活路を見出そうとする努力に報いたいものだ。今度の私の得難い体験をぜひ多くの人に伝えたいと強く思っている。






第925回「憲法記念日と朝日新聞」

 深谷隆司の言いたい放題第925回

 「憲法記念日と朝日新聞」

 久しぶりに5月2日から3泊4日で倅一家と箱根の山荘に行った。コロナ禍で2年余り行っていなかったがやはり箱根の空気も、温泉も素晴らしく大いに英気を養った。

 3日の朝、管理人が朝日新聞を届けてくれた。この新聞はあきれるほど左翼反日的で、かつて「朝日を辞めました」と伝えた私をマスコミが大きく報道したこともあった。

 3日は憲法記念日だからどんな風に書いているのかと早速目を通すと、「やっぱり」であった。一面トップは「改憲議論の影、遠のく生存権」とあって、「ロシアのウクライナ侵攻や新型コロナウイルス対応などをきっかけに、政治の場で改憲を訴える声が与野党間問わずあがっている。だが暮らしの足元では憲法が保障する権利が侵食される状況が広がる」と、ピント外れな言い草が続いていた。

 特に驚いたのは全面広告で、横に大きな字で「改憲させない!」縦に「私たちは非戦を選ぶ」とあったことだ。しかも全面に太字で「ころすな」と書いてある。意味不明だ。

   本文を見ると「ロシアのウクライナの侵攻を許さない」とある。「許さない」という言葉をいくら繰り返してもロシアは侵攻を辞めず、無辜の民への無残な虐殺が続いているのが現実ではないか。

 「有事の不安を軍拡に利用するな」とあるが、有事にあたっての国家の務めは国家国民の安全保障であって、そのために今こそ真剣に議論すべき時なのである。

 「二度と核兵器を使ってはならない」とあるが、それはまさにロシアに対して言うべきことではないか。

 「戦争できる国にさせない」とあったが、今時、戦争を起こそうなどと誰が思っているというのか。「戦争を仕掛けられない国」にするために、いかに「抑止力」を構築するかが肝要なのである。

 最後は「参議院で非戦の意思を示そう」と結んでいるが、前段で自公政権その他の改憲勢力と名指しで批判している。 

 なんだ、要は左翼的勢力に一票入れろという「意見広告」と称する選挙運動なのである。

 広告だから朝日新聞は関知しないとは言わせない。彼らと意見が一致するから載せているので、これは同新聞の意見広告とみていいのではないか。

 「新聞は社会の木鐸」と言われた時代があった。世の中を教導し正すということだが、朝日新聞はこの言葉を自ら殺してしまったと私は思っている。


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