2012年01月25日
言いたい放題 第269号 「空虚な施政方針演説」
「空虚な施政方針演説」
24日、野田首相は施政方針演説を行った。全体的に言えば「きれいごと」のオンパレードで、はっきり言って具体的な内容は乏しかった。
演説のほぼ3割を社会保障と税の一体改革について語ったが、意気込みは分るものの、要は消費税を上げたいということだから、聞く側から見れば白けてしまうのだ。
国政の重要課題を先送りしてきた「決められない政治」からの脱却を目指すと言うが、誰がそうしてきたというのか。
鳩山、菅内閣を見ればわかりやすいが、まさに民主党政権だったのではないか。
自らの反省も責任も語らないのだから、無責任で空虚な演説であったと言わざるを得ないのだ。
一番驚いたのは、自民党のかつての首相の発言を二度も引用したことだ。
「与野党が信頼関係の上に立ってよく話し合い、結論をだし、国政を動かしていくことこそ、国民に対する政治の責任です」
これは4年前、福田元首相の施政方針演説の引用だが、当の福田氏が「あの頃を思い出すと、むちゃくちゃにひどかったね、話し合うどころではなくて、すべて拒否されたんだから、反対反対でね」と呆れ顔で話していた。
更に、麻生元首相の3年前の施政方針演説も引用した。
「持続可能な社会保障制度を実現するには、給付に見合った負担が必要です。経済状況を好転させることを前提として遅滞なく、かつ段階的に消費税を含む税制抜本改革を行うため、2011年度までに必要な法制上の措置を講じます。これは社会保障を安心なものにする為です。子や孫に、負担の先送りをしないためであります」
野田氏は、「これは私の目指すものと一緒です。今こそ立場を超えて、全ての国民の為に、この国の未来のために、素案の協議に応じていただくことを願ってやみません」と平然と述べているのだ。
あの麻生政権の提案に対して、当時の民主党は採決で反対したではないか。そして麻生内閣不信任案の賛成討論をしたのも他ならぬ野田氏自身だったのだ。
野党時代の攻撃的な民主党の言動を思い返し、厚顔無恥とはこのことをいうのかと改めて思った。
民主党のマニフエストには、無駄の排除と予算の組み替えで、平成25年までに16、8兆円を生み出すと書いてあった。増税をしないで社会保障改革をやると言っていたのた。だから国民の圧倒的な支持を得て政権交代となった。
それがここへきて一気に消費税増税路線に切り替えてしまった。
まずこの点について、「あれは誤りでした。結果的に国民に嘘をついた」と訂正し、国民に謝罪することが先決ではないのか。
自民党はその点をきちんとしないままででは、協議に応じられないと言っているのだ。
しかも、党内の小沢氏らの動きに配慮して、2012年の活動方針でも、「公約については実現に向けて出来る限り取り組む」と書いている。支離滅裂、矛盾だらけなのである。
最近の世論調査では、何もしないでの消費税増税に反対は80%以上になっている。
つまり、大前提は思い切った行政改革と、公務員の削減、何よりも、国会議員の給与削減と定数削減を求めているのだ。
しかし、これに対する具体的提言は無いに等しい。
経済を再生させることは極めて重要なことだが、その為の道筋も示していない。デフレ不況の脱却が急務なのだが、明確な処方箋もない。
外交、安全保障問題についても一応語ってはいるが、肝心の沖縄問題などは、「引き続き沖縄の皆様の声に真摯に耳を傾け、負担軽減を図るため全力で取り組みます」で、おわり、なのである。
結びは得意の浪花節で、「私は、大好きな日本を守りたいのです。この美しいふるさとを未来に引き継いでいきたいのです・・・」。
はっきり言って、点数のつけようもないお粗末さで、これからの国会の嵐の前兆を垣間見るような思いであった。
24日、野田首相は施政方針演説を行った。全体的に言えば「きれいごと」のオンパレードで、はっきり言って具体的な内容は乏しかった。
演説のほぼ3割を社会保障と税の一体改革について語ったが、意気込みは分るものの、要は消費税を上げたいということだから、聞く側から見れば白けてしまうのだ。
国政の重要課題を先送りしてきた「決められない政治」からの脱却を目指すと言うが、誰がそうしてきたというのか。
鳩山、菅内閣を見ればわかりやすいが、まさに民主党政権だったのではないか。
自らの反省も責任も語らないのだから、無責任で空虚な演説であったと言わざるを得ないのだ。
一番驚いたのは、自民党のかつての首相の発言を二度も引用したことだ。
「与野党が信頼関係の上に立ってよく話し合い、結論をだし、国政を動かしていくことこそ、国民に対する政治の責任です」
これは4年前、福田元首相の施政方針演説の引用だが、当の福田氏が「あの頃を思い出すと、むちゃくちゃにひどかったね、話し合うどころではなくて、すべて拒否されたんだから、反対反対でね」と呆れ顔で話していた。
更に、麻生元首相の3年前の施政方針演説も引用した。
「持続可能な社会保障制度を実現するには、給付に見合った負担が必要です。経済状況を好転させることを前提として遅滞なく、かつ段階的に消費税を含む税制抜本改革を行うため、2011年度までに必要な法制上の措置を講じます。これは社会保障を安心なものにする為です。子や孫に、負担の先送りをしないためであります」
野田氏は、「これは私の目指すものと一緒です。今こそ立場を超えて、全ての国民の為に、この国の未来のために、素案の協議に応じていただくことを願ってやみません」と平然と述べているのだ。
あの麻生政権の提案に対して、当時の民主党は採決で反対したではないか。そして麻生内閣不信任案の賛成討論をしたのも他ならぬ野田氏自身だったのだ。
野党時代の攻撃的な民主党の言動を思い返し、厚顔無恥とはこのことをいうのかと改めて思った。
民主党のマニフエストには、無駄の排除と予算の組み替えで、平成25年までに16、8兆円を生み出すと書いてあった。増税をしないで社会保障改革をやると言っていたのた。だから国民の圧倒的な支持を得て政権交代となった。
それがここへきて一気に消費税増税路線に切り替えてしまった。
まずこの点について、「あれは誤りでした。結果的に国民に嘘をついた」と訂正し、国民に謝罪することが先決ではないのか。
自民党はその点をきちんとしないままででは、協議に応じられないと言っているのだ。
しかも、党内の小沢氏らの動きに配慮して、2012年の活動方針でも、「公約については実現に向けて出来る限り取り組む」と書いている。支離滅裂、矛盾だらけなのである。
最近の世論調査では、何もしないでの消費税増税に反対は80%以上になっている。
つまり、大前提は思い切った行政改革と、公務員の削減、何よりも、国会議員の給与削減と定数削減を求めているのだ。
しかし、これに対する具体的提言は無いに等しい。
経済を再生させることは極めて重要なことだが、その為の道筋も示していない。デフレ不況の脱却が急務なのだが、明確な処方箋もない。
外交、安全保障問題についても一応語ってはいるが、肝心の沖縄問題などは、「引き続き沖縄の皆様の声に真摯に耳を傾け、負担軽減を図るため全力で取り組みます」で、おわり、なのである。
結びは得意の浪花節で、「私は、大好きな日本を守りたいのです。この美しいふるさとを未来に引き継いでいきたいのです・・・」。
はっきり言って、点数のつけようもないお粗末さで、これからの国会の嵐の前兆を垣間見るような思いであった。
2012年01月24日
言いたい放題 第268号 「皆に励まされて」
「皆に励まされて」
1月23日、中央区の自民党区議団のメンバーが私を招いて新年会を開いてくれた。
二年前、政権交代の嵐の中で、都議会国会とも惜敗したが、昨年の地方統一選挙では、13人の自民党候補者が全員当選し、保守王国の牙城をいささかも揺らぐことなく守ってくれた。議長もわが党の石田英朗君である。
この中には、深谷政経塾や自民党政経塾で学んだ人が何人もいて、冷たい小雨の中、店の入り口で私を迎えてくれ、帰りは全員で送ってくれた。
私は、とても恵まれていて、どこへ行っても同志たちや、特に塾生や弟子たちが丁重に迎え、世話を焼いてくれる。
そんな場面を見て「今時、珍しい光景ですね」と何度も言われて、秘かに喜んでいるのだ。
新年会が多くて、どこの会場でも長くいられない。今日だけは最後まで居てくださいと念を押されて、あらかじめ他の会に顔をだし、後は終わりまで腰を落ち着けることにした。
「痛飲三斗」と言うがまさにその通りで、注がれるまま、ぐいぐいピッチを上げた。談論風発、愉快な話題で尽きない。
途中で原田賢一幹事長が立って、「今の政治の状況を見るとどうしようもないほど最低だ。ここはお疲れかも知れないが、どうしても深谷先生に出馬してもらいたい。この現状を何とか変えて安心できる日本にして欲しい」と大声で訴えた。
ベテラン議員の押田まり子さんや鈴木久雄さんも手を叩き、「全員で力一杯やります」と、誓いの乾杯を何度も繰り返してくれた。
色々の意見もあろうし、一体いつ選挙になるかもしれず、「何が何でも出るのだ」といった若い頃のがむしゃらな心境はない。むしろ、淡々とした心で暮らしていたから、どう答えていいのか、戸惑い、複雑な思いであった。
しかし、彼らの一途な願いに感動し、涙が出るような嬉しさであった。
どのようなことになるのか、いずれにしても天の命ずるままに生きようと思った。
そして、たとえどのような立場になろうと、この人たちの気持ちを忘れずに、この国の為に、この地域の為に、この命の尽きるまで働こうと誓った。
ちなみに、会場になったのは、新川の「香取鮨」だが、今から四十年前、初めて衆議院選挙に出る為に、中央区で選対会議を開いた場所である。
今はこぎれいな建物に代わって二代目三代目が奥さんと共に頑張っていて、味の評判もいい。熱心に応援してくれたご両親はすでにいない。
なにしろ知名度も後援会の地盤もなかった頃であったから、集まりも悪くて、せっかく来てくれた有力者宅間町会連合会長さんが、「これではやりようがない」と立腹する始末であった。この方もかなり前に逝ってしまった。
その選挙は自民党の公認も得られず「無所属」であったが、無事当選を果たし、あれから長い私の政治家としての歴史が続いたのであった。
ああ、時の流れはなんと早いものなのだろうか。
楽しく、ちょっと寂しい、感慨無量な一夜であった。
1月23日、中央区の自民党区議団のメンバーが私を招いて新年会を開いてくれた。
二年前、政権交代の嵐の中で、都議会国会とも惜敗したが、昨年の地方統一選挙では、13人の自民党候補者が全員当選し、保守王国の牙城をいささかも揺らぐことなく守ってくれた。議長もわが党の石田英朗君である。
この中には、深谷政経塾や自民党政経塾で学んだ人が何人もいて、冷たい小雨の中、店の入り口で私を迎えてくれ、帰りは全員で送ってくれた。
私は、とても恵まれていて、どこへ行っても同志たちや、特に塾生や弟子たちが丁重に迎え、世話を焼いてくれる。
そんな場面を見て「今時、珍しい光景ですね」と何度も言われて、秘かに喜んでいるのだ。
新年会が多くて、どこの会場でも長くいられない。今日だけは最後まで居てくださいと念を押されて、あらかじめ他の会に顔をだし、後は終わりまで腰を落ち着けることにした。
「痛飲三斗」と言うがまさにその通りで、注がれるまま、ぐいぐいピッチを上げた。談論風発、愉快な話題で尽きない。
途中で原田賢一幹事長が立って、「今の政治の状況を見るとどうしようもないほど最低だ。ここはお疲れかも知れないが、どうしても深谷先生に出馬してもらいたい。この現状を何とか変えて安心できる日本にして欲しい」と大声で訴えた。
ベテラン議員の押田まり子さんや鈴木久雄さんも手を叩き、「全員で力一杯やります」と、誓いの乾杯を何度も繰り返してくれた。
色々の意見もあろうし、一体いつ選挙になるかもしれず、「何が何でも出るのだ」といった若い頃のがむしゃらな心境はない。むしろ、淡々とした心で暮らしていたから、どう答えていいのか、戸惑い、複雑な思いであった。
しかし、彼らの一途な願いに感動し、涙が出るような嬉しさであった。
どのようなことになるのか、いずれにしても天の命ずるままに生きようと思った。
そして、たとえどのような立場になろうと、この人たちの気持ちを忘れずに、この国の為に、この地域の為に、この命の尽きるまで働こうと誓った。
ちなみに、会場になったのは、新川の「香取鮨」だが、今から四十年前、初めて衆議院選挙に出る為に、中央区で選対会議を開いた場所である。
今はこぎれいな建物に代わって二代目三代目が奥さんと共に頑張っていて、味の評判もいい。熱心に応援してくれたご両親はすでにいない。
なにしろ知名度も後援会の地盤もなかった頃であったから、集まりも悪くて、せっかく来てくれた有力者宅間町会連合会長さんが、「これではやりようがない」と立腹する始末であった。この方もかなり前に逝ってしまった。
その選挙は自民党の公認も得られず「無所属」であったが、無事当選を果たし、あれから長い私の政治家としての歴史が続いたのであった。
ああ、時の流れはなんと早いものなのだろうか。
楽しく、ちょっと寂しい、感慨無量な一夜であった。
2012年01月23日
第267号 「岡田克也副総理の突出発言」
深谷隆司の言いたい放題 第267号
「岡田克也副総理の突出発言」
22日のテレビで、岡田氏は「年金制度の抜本改革の為に必要な財源は、今回の消費税10%には入っていない」と発言した。さらなる増税が必要と言うのだが、就任わずかな時間を考えると、十分な協議や検討がなされた上での発言とは到底考えられない。
あくまで彼の個人的な考えを述べたのであろうが、こんな重要な事柄を、何の相談も無しに発言しても問題が無いほど厚遇されているのか。これでは誰が総理なのかわからなくなる。
野田首相は、先の内閣改造は「最善かつ最強の布陣」と自賛していたが最大の目玉は岡田氏の起用であった。
世論の消費税反発は次第に強まっているし、民主党内での意見集約もままならない。そこで、二枚看板になってもいいから岡田氏を起用して、彼の発信力を活用しようとしたのである。
首相官邸に部屋を持たせ、秘書官を5人も付けた。財務、総務、厚生労働、内閣の4府から送り込まれた人たちだ。
更に最高意思決定機関である政府・民主三役会議のメンバーにも入れ、政府の重要方針を決定する「国家戦略会議」にも参加させる予定である。
15日のNHKの番組では、国会議員の歳費削減や政党交付金の削減に言及したが、これも政府与党内で調整された話ではなかった。いくら良い発言でも、政府与党内できちんとまとめていなければ「言いっぱなし」で終わってしまう。これでは無責任で、決して許されないことなのである。
自民党の大島副総裁は「発言は慎重にした方がいい。副総理が直接動き回ると、政党間協議はどうなっているのか」ということになる。与野党間の協議は本来幹事長同士でやるものだが、ここらあたりの筋の通しかたは大事である。
官房長官の役目までやろうとしているのだから無理がある。
公明党からも、「政府の人間がなんでも言及するのは謙虚さを欠く。立場を考えてもらいたい」と不快感を示していた。もっともなことである。
早くも野党から、調子に乗っていると冷ややかな反応が起こっている。
24日から始まる通常国会、大荒れ模様と思われているが、岡田氏の起用が吉と出るのか凶と出るのか、ここはじっくり見守る必要がありそうだ。
「岡田克也副総理の突出発言」
22日のテレビで、岡田氏は「年金制度の抜本改革の為に必要な財源は、今回の消費税10%には入っていない」と発言した。さらなる増税が必要と言うのだが、就任わずかな時間を考えると、十分な協議や検討がなされた上での発言とは到底考えられない。
あくまで彼の個人的な考えを述べたのであろうが、こんな重要な事柄を、何の相談も無しに発言しても問題が無いほど厚遇されているのか。これでは誰が総理なのかわからなくなる。
野田首相は、先の内閣改造は「最善かつ最強の布陣」と自賛していたが最大の目玉は岡田氏の起用であった。
世論の消費税反発は次第に強まっているし、民主党内での意見集約もままならない。そこで、二枚看板になってもいいから岡田氏を起用して、彼の発信力を活用しようとしたのである。
首相官邸に部屋を持たせ、秘書官を5人も付けた。財務、総務、厚生労働、内閣の4府から送り込まれた人たちだ。
更に最高意思決定機関である政府・民主三役会議のメンバーにも入れ、政府の重要方針を決定する「国家戦略会議」にも参加させる予定である。
15日のNHKの番組では、国会議員の歳費削減や政党交付金の削減に言及したが、これも政府与党内で調整された話ではなかった。いくら良い発言でも、政府与党内できちんとまとめていなければ「言いっぱなし」で終わってしまう。これでは無責任で、決して許されないことなのである。
自民党の大島副総裁は「発言は慎重にした方がいい。副総理が直接動き回ると、政党間協議はどうなっているのか」ということになる。与野党間の協議は本来幹事長同士でやるものだが、ここらあたりの筋の通しかたは大事である。
官房長官の役目までやろうとしているのだから無理がある。
公明党からも、「政府の人間がなんでも言及するのは謙虚さを欠く。立場を考えてもらいたい」と不快感を示していた。もっともなことである。
早くも野党から、調子に乗っていると冷ややかな反応が起こっている。
24日から始まる通常国会、大荒れ模様と思われているが、岡田氏の起用が吉と出るのか凶と出るのか、ここはじっくり見守る必要がありそうだ。

